起業は究極の遊び

すべての顧客&社員&取引企業が輝くことの出来る「日本で一番大切にされる会社」「社会にとってかけがえのない会社」「地域にとってカッコいい会社」を創造するためのヒント。 さらには、会社にとって、社会にとってかけがけのないビジネスパ-ソンになるためのヒントのおすそわけ!

「専制的リ-ダ-」と「勇気づけリ-ダ-」

岩井俊憲氏(ヒュ-マン・ギルド代表取締役)に学ぶビジネスを輝かせるためのヒント・・・

ある中堅企業の営業本部長は、まさにこの「専制的リ-ダ-」タイプです。

仲人をした部下の数は、社長を大きくしのぎ、彼らの結婚記念日にはポケットマネ-で花束を贈るのを欠かさず、トップダウンのリ-ダ-シップ・スタイルは、迅速な決断と的確な指示を特徴としています。

得意先を接待するときは、一部の部下を引き連れて馴染みの小料理店の厨房に入り、自ら手の込んだ料理をこしらえて、もてなすようなこともします。

公私共にオ-ルマイティ感を与える本部長は、すべてを自分で仕切らなければならないため、朝は遅くとも7時半に出勤し、夜は接待や会議の日を除くと、帰社時間が9時前になることはないので、部下もそれに従って、いかにも熱心そうに働いています。

営業成績をみんなの見えるところに張り出し、絶えずハッパをかけるので、本部長の声は社内中に響き渡ります。

また、情に報いる部下には、会議の席上、涙を誘うような賞賛を与えるのですが、そうでない部下を対象にしたときや、部下が失敗したときには情け容赦なく叱責し、仏と鬼の両面を併せ持っています。

また、ある大企業の部長は、先程の本部長とはまったく違ったリ-ダ-シップ・スタイルを取っています。

部下の仲人は、よほどでない限りしません。

「仲人をすると、同じ会社で働かざるを得ない心理が働き、いつまでも上下関係を引きずる」という考え方で、部下に対しては、「他の会社からスカウトが来るような人間になろう」と常々言っています。

出社時間は、朝の8時とやや早いのですが、夜は週に2日は定時に帰り、自分の趣味を深める研鑽に励んでいるようです。

部下が相談にきたときは、「君が僕の立場だったらどう判断する?」と問いかけます。

会議の席上では活発な意見が飛び交います。

「建設的フィ-ドバック」という、仲間の成長を願う活発なやりとりを大切にしながらも、前回の会議から今回に至る間の部員の肯定的側面を話題にします。

失敗も、ケアレスミスでなくチャレンジしたものであれば、失敗した当事者の了解を得た上で、みんなの学習機会として取り上げ、部全体で再発防止を心がけます。

(こころの壁を乗り越える生き方の知恵/ビジネス社)

自分が部下だったらどのような上司の下で働きたいと思うでしょうか。

やはり多くの人たちがどちらかというと「勇気づけのリ-ダ-」の下で働きたいと思うのではないでしょうか。

著書の中にもありますが、「専制的リ-ダ-」の特徴は、“部下を依存的にさせがち”“競争原理”“評価的態度”“賞罰で人を動かす”のに対し、「勇気づけリ-ダ-」は、“部下を自立的にする”“協力原理”“共感的態度”“できたことを認める”“勇気づけで人を動かす”という特徴があります。

このようなことから見ても部下の立場からみれば、自分を認めてくれる「勇気づけリ-ダ-」を支持するのは当たり前のことでしょう。

とはいえまだまだ現実的には「専制的リ-ダ-」の方が圧倒的に幅を効かせていますが・・・。

部下はもちろんまだまだ経験は浅いかもしれませんが、誰もが“無限の能力があり、完全な存在”です。

上司としてはまずはこの部分をしっかりと認識することが大切でしょう。

これからの時代は「専制的リ-ダ-」よりも「勇気づけリ-ダ-」の割合が増えてくることが予想されますが、そうなれば組織も輝きを増し、会社も更なる発展を遂げていくことでしょう。

上司も大いに意識変換が求められる時代です。

今日も最後まで読んでいただきありがとうございます。