組織を変えるには
中村仁氏(講演家)に学ぶビジネスを輝かせるためのヒント・・・
組織を変えるには、途中であきらめないことです。
例えば、朝のあいさつのない職場を想定してみましょう。
職場に行っても、誰も「おはよう」と言わない雰囲気があります。
しかし、リ-ダ-が代わって、「これではいかん」と朝のあいさつをし始めます。
そうするうちに初日は社員のうちの10%、2日目は20%と、徐々にあいさつを返してくれる人が増えてきます。
反面、依然として沈黙の人も多くいます。
これまで、あいさつがなかったという暗黙の定着したル-ルがあったのです。
それが、いまなんの説明もないままに変えられようとしているのです。
沈黙している人たちは、どうしようと戸惑っています。
頭ではあいさつが必要だと思っていても、すぐには変えられないのです。
恥ずかしかったり、従来の習慣上、抵抗があったりして、なかなか同調者が増えません。
こんなときは、トップは無理せずに現状で良いかと思いかけたりします。
しかし、そこであきらめたら“元の木阿弥”です。
我慢してやり続けていくと、あるところで分かれ道、すなわち分水嶺のような地点にやってくるのです。
この事例では、4日目に半数の人があいさつしてくれ、5日目には一気に80%、1週間後には全員があいさつするようになったのです。
(500人の会社が劇的に変わる瞬間/きこ書房)
リ-ダ-が組織の中に新たな習慣や考え方を根付かせていくためにはとてつもない忍耐力が必要となることは想像に難くありません。
自分の過去の習慣や思考を変えるのにも一苦労なのですから、ましてや多くの従業員を抱える大きな組織や伝統のある組織を変えていくとなると、そこにはリ-ダ-の大きな覚悟と相当な時間が必要になるわけです。
大きな覚悟とは最後までやり切るという強い想い・・・。
そして必ずいつかはわかってくれるという部下を信じ切る想い・・・。
さらに、新しい習慣や考え方を根付かせていくためには分水嶺があることを知っておくこと・・・。
この分水嶺があることを知っておくだけでも気持ちがとても楽になり、簡単に諦めることをしなくなることでしょう。
この分水嶺の地点までは努力と忍耐が必要ですが、そこを過ぎると自動的に伝わっていくからです。
しかしながらこの分水嶺の地点までは継続して実行しなければ慣性が働いてまた元の組織の状態に戻ってしまいます。
組織によってこの分水嶺の地点までの時間はまちまちでしょうが、倦まずたゆまず淡々と続けていくこと・・・これが組織の中に新たな習慣や考え方を根付かせていく極意中の極意であるように思います。
今日も最後まで読んでいただきありがとうございます。