トップであり続けるための日常習慣
ハ-バ-ド・ビジネス・レビュ-編集部に学ぶビジネスを輝かせるためのヒント・・・
たえず周囲から称賛を浴びてきたリ-ダ-は、権力をつかむと、節度に欠ける人物に成り果ててしまうおそれがあります。
私が話を聞いたリ-ダ-のなかでも、トップに上り詰めてからその地位に長く座っている人たちには、行動基準や価値観に共通点が見られました。
性格や経営スタイルは違えど、だれもが優れたバランス感覚と高い自己認識力を備えていました。
「なぜこうも長い間、トップでいられたのですか」と尋ねてみると、どの人も心理と行動の両面で節度を失わないように、習慣づけてきたことがわかりました。
ハリウッドのある経営幹部はこう語りました。
「私は映画業界を心底愛しています。
けれども、あの派手な雰囲気に飲み込まれると、すぐ現実感覚を失ってしまいます。
ですから、スタ-を招いたパ-ティ-、内輪の試写会、仕事相手との朝食会などは、なるべく出席しないで済ますように心がけています。
アカデミ-賞はもちろん楽しみですが、子どもや友人と一緒に寝転んでテレビで観るんですよ」
ありふれた生活はつまらなく聞こえるかもしれない。
しかしそれこそ、自分を見失わず、顧客や部下など普通の人々から浮き上がらずに済む、確実な方法なのです。
(昇進者の心得/ダイヤモンド社)
役職が上がるにつれて強欲になり、部下にも横柄な態度で接するようになってしまう人。
ある一定の収入を超えるとこれまた強欲になり、周囲の人たちに威張り散らす人。
地位の奴隷になり、また、お金の奴隷になってしまう人。
なぜこのようになってしまう人が後を絶たないのでしょうか。
それは当たり前のことかもしれませんが、「自分は今何のために仕事をしているのか?」、他にも「自分は今何のために生きているのか?」ということを常に確認することを怠ってきてしまったためだと思うのです。
「何のために」というのは生きる根であり、ここがしっかりしていないと、社内を飛び交う様々な欲望の渦に簡単に飲み込まれてしまいます。
「何のために」がしっかりしていれば、会社内の様々な役職の意義、または様々な部署の意義も見抜くことが出来るので、目の前の問題の処理に追い回されないようになりますし、また同時に、部下からの批判にも素直に耳を傾けられるようになり、裸の王様にもならずにすみます。
「何のために」を忘れる人は、自己優先、他人軽視、利益優先、安全軽視となり、確実に破滅の道を歩むことになります。
イエロ-ハットの創業者である鍵山秀三郎氏は、社会の中には「人を幸せにしながら成長していく企業と、人を不幸にしながら膨張していく企業とがある」ということを述べておられますが、どんなに役職が上がろうとも、収入が増えようとも、自分で自分のリ-ダ-シップを常に「監視」することを怠らないようにしたいものです。
今日も最後まで読んでいただきありがとうございます。