人を見て法を説く
徳川夢声(漫談家)に学ぶビジネスを輝かせるためのヒント・・・
自分の意見を主張する(演説)には、哲学の講義や、詩の朗読や、新劇の台辞(せりふ)と違って、~わからない連中には、わからなくてもよろしい~では済まない。
演説する以上は、そのときの聴衆に、よくわからなければならない。
ところが、その聴衆というものが、ときにより場所に応じて、千変万化するものですから、演説の方も随時随所において、一番効果的なやり方というものが、異なってくるのは当然であります。
釈迦は「人を見て法を説く」と言いました。
同じマルクスの主張を説くにも、相手がインテリぞろいであるときと、相手が筋肉労働者大多数であるときとでは、当然、コトバの選択や、ジェスチャのありかたに、相違があるべきです。
(話術/白揚社刊)
演説といえば、まず思い出すのが選挙なのではないでしょうか。
ある本の中にありましたが、ある政党の立候補者は、演説の場所、テレビなどインタビュ-の場所に応じて、ス-ツ、ネクタイ、髪型などを丁寧に変え、また、話す内容、話し方や目線、表情、言葉の抑揚や、言葉そのものの言い回しに至るまでを緻密に計算しているそうです。
こういったことは我々ビジネスパ-ソンにとっても大変参考になります。
会社などにおいても自分の主張を上司や部下に話す時、またはお客様にプレゼンする時などは「自分は演説をしているのだ」と考えた方がよいでしょう。
往々にしていつも同じ話し方、同じ言葉を使って話してはいないでしょうか。
結果、あの人は自分のことをわかってくれないとなる・・・。
そう感じる前に、話す相手がどのような言葉に反応するのかを考えたことがあるでしょうか。
中学生にでもわかるように話す努力をしているでしょうか。
話す内容について最低10通りの話し方を持っているでしょうか・・・。
自分の意見を主張する以上、相手がわからないでは済まされない・・・、そのような意識をしっかりと持って話すようにしたいものです。
今日も最後まで読んでいただきありがとうございます。