起業は究極の遊び

すべての顧客&社員&取引企業が輝くことの出来る「日本で一番大切にされる会社」「社会にとってかけがえのない会社」「地域にとってカッコいい会社」を創造するためのヒント。 さらには、会社にとって、社会にとってかけがけのないビジネスパ-ソンになるためのヒントのおすそわけ!

企画書は1行

野地秩嘉氏(作家)に学ぶビジネスを輝かせるためのヒント・・・

アメリカ映画界に大物プロデュ-サ-の親子がいた。

父親はダリル・F・ザナック、息子はリチャ-ドという。

ダリルはハリウッドの名プロデュ-サ-の称号である「ラスト・タイク-ン」と呼ば「わが谷は緑なりき」「イヴの総て」といったアカデミ‐-賞受賞作品、「怒りの葡萄」「史上最大の作戦」といった話題作をプロデュ-スした。

息子のリチャ-ドもスピルバ-グの出世作「ジョ-ズ」を製作している。

そのザナック親子は鉄則を持っていた。

「映画を宣伝する時は一行にすること。一行で表現できない映画はヒットしない」。

鉄則にのっとって、リチャ-ドは「ジョ-ズ」を「美女がサメに襲われる映画」とし、ダリルは「史上最大の作戦」を「空前の金をかけた、空前のオ-ルスタ-映画」とした。

そして宣伝ポスタ-、予告編などのコンセプトを統一した結果、両作品とも大ヒットを記録した。

一行で表現される言葉は驚くほどシンプルである。

しかし、一行にこめられた表現力と説得力が企画書の魂になる。

企画書の一行とは内容のまとめではない。

企画書の一行とは読んだ人の脳裏に風景を映し出すことなのだ。

こうした一行を書けるようになるにはふたつの方法しかない。

他人の書いた鮮烈な文章を集めて研究すること。

そして、頭の中に浮かんだイメ-ジを文章化する訓練を怠らないこと。

そうした訓練を通じていけば、鮮烈な表現を自分のものとして使いこなせるようになる。その上で書かれた文章が、企画を通す力を持ち得る。

企画書の一行とは文字をいじくるのではなく、頭の中に浮かんだ映像を言葉にすること。

そして、相手の頭の中に同じ映像を映すことができれば、企画は結実する。

 

(企画は1行/光文社)

 

伝わる力は言葉数に反比例するという言葉があります。

伝わるには出来るだけ言葉を減らす必要がある・・・。

この書籍の中には現場から生まれた一行、ヒット商品の一行、組織を動かす一行、人生を書いた一行、ブランドを創る一行というように様々な切口からの事例が紹介されています。

たった一行で表現することが出来るようになるにはその裏に膨大な言葉たちの存在があることを忘れてはいけないでしょう。

その中からイマジネ-ションされた一行には思いが篭る、その思いが力となり、多くの人たちに伝わっていく・・・。

この一行で表現する力・・・、是非とも身につけておきたい技術だと思います。

ただこの技術はビジネスの場だけではなく、何気ない日常の会話、夫婦の間の会話などにおいても有効でしょう。

夫の立場からすると時には妻を説得せざるを得ない状況があるでしょう。

そんな時に、ただただ言葉を並べていくのではなく、キレのある一言が言えれば、簡単に説得出来るようになるかもしれません。

まずは「自分自身を一行で表現するとしたら」・・・、考えてみたいと思います。

今日も最後まで読んでいただきありがとうございます。