必ず見てくれるファンに対して番組を創る
伊藤隆行氏(テレビ東京プロデュ-サ-)に学ぶビジネスを輝かせるためのヒント・・・
『ガイアの夜明け』を立ち上げたプロデュ-サ-と話していて、すごく共感したのは、「テレ東は視聴者を差別するべき」という意見でした。
ビジネスシ-ンの中で起こるさまざまな事象を取り上げる経済ドキュメンタリ-番組『ガイアの夜明け』は今でこそ認知されましたが、番組が始まった2002年には、「こんなビジネスに特化した内容で誰が見るんだよ?」と言われていたそうです。
実際、遅い時間帯とはいえ視聴率は2~3%台。
なんとも先行き不安に見える船出でした。
それでも内容を変えずにやり続けたのは、ひとつの信念があったからです。
番組のタ-ゲットは、ワイドショ-好きな主婦層や、わんぱくな子供ではなく、一定ラインの平均年収をもらっている、ある程度裕福な人。
そういう層に向かって放送して、それ以外の視聴者はまったく意識しないわけです。
限定した層に視聴者を設定したら、もうそこからは動かない。
少なくともタ-ゲットにした層の人達には大多数に見てほしい、その上で作りによってはそれ以外の人も巻き込みたい。
そのことを意識しながら、毎回の切り口を考えていくのです。
そうやって企画内容を崩さず、番組を発信していくと、「こういう面白いことをやっているぞ」とだんだん波及していきました。
そして番組はプレミアムな存在となりました。
もし視聴率を15%獲ろうとなったら、タ-ゲットをそこまで絞らず、いろんな人を巻き込む考えを持ち込まないといけません。
でも万人受けを狙うと、熱を持って支持してくれる固定ファンを取りこぼしてしまう危険性がある。
どちらを選ぶか?
僕の番組にあるのは、もちろん「好きな人だけ見てくれればいい」という方法論です。
(伊藤Pのモヤモヤ仕事術/集英社新書)
ビジネスなどでお客様を獲得しようとする時、“誰に”伝えるのかを明確にすればするほど伝わりやすくなる・・・。
例えば、30代後半の女性、年収は500万円くらい、独身で海外旅行好き・・・など。
さらにはこれら属性にプラスしてその人の価値観をも明確にして提案するともっと伝わりやすくなる・・・。
「カッコよく、バリバリ働く国際派のビジネスマンの飲むビ-ル」(アサヒビ-ルのス-パ-ドライ)というような・・・。
現代は、十人十色ではなく、一人多色の時代。
10人の人がいたら、100の行動、100の価値観、100の気分がある・・・。
少々、話はそれますが、だからこそ今の時代、スモ-ルビジネスが非常に面白い。
私の周りでもサラリ-パ-ソンでありながら年商500万円のビジネスを5社ほど所有し、このコロナ禍においても、経済的自由を達成している人がいます。
起業すると、売上の規模を大きくするという楽しみもありますが、自分は年商500万円のままでいいんだ!自分の生活をもっと楽しみたい!という売上規模を必要以上に追わないスタイルもいいと思います。
話を戻しますが、これからも人の持つ様々な価値観をイメ-ジし、引き出し、提案する技術・・・、大いに磨いていきたいものです。
今日も最後まで読んでいただきありがとうございます。