汚物を始末出来るか?
バ-リ-・サンフォ-ド・グリ-フ氏に学ぶビジネスを輝かせるためのヒント・・・
MBAを取得した聡明な青年ジムが一流の投資銀行の採用試験にのぞみ、課題を完璧にこなして重役面接に進んだ。
役員たちはこぞって彼を気に入り、うち一人が代表して声を掛けた。
「ジム、わたしたち一同、君にはとても感心した。
成績も非の打ち所がないし、やる気満々で、向上心もある。
そこで一つだけ、聞かせてもらいたい。
君は、汚物を始末できるかね?」
「それはいったい、どういう意味でしょうか?」
目を丸くして答えたジムに、その役員は昔の体験を打ち明けた。
その日、彼は朝六時の早朝便で出張先から戻り、会社でシャワ-を浴びてひげを剃ってから新しい一日にとりかかろうと考え、タクシ-でオフィスに直行し、バスル-ムに入ってトイレの水を流した。
ところがトイレが故障し、見る見るうちにあたり一面が汚物にまみれた。
なにぶんにも早朝なので、管理人を呼び出すわけにもいかず、取るべき策は二つしかなかった。
自分で掃除するか、そのままにしておいて誰かに始末させるかだ。
彼は意を決して、自分で汚物を片づけた。
ここで役員は、先の質問を繰り返した。
「で、君は汚物を始末できるかね?わたしが探しているのはそういう人物なんだ・・・良い面だけでなく悪い面も分かち合って、責任をとることをいわず、成功だけでなく失敗や落胆にも耐えられて、自分の問題は自分で片づけられる人がほしい」・・・。
まずは、ひとかどの人物になろうと努力することが肝心だ。
期待された以上のことをし、都合の言い訳を持ち出したり他人のせいにしない。
そんな態度が欠かせない。
(あなたは人生に何を残せますか/TBSブリタニカ)
突然、自分の身に降りかかってきた汚物(困難)に如何に対処するか・・・。
見て見ぬふりをすることも出来るし、他人にその責任を押し付けることも出来る・・・。
また、情熱的に積極的に、自分で引き受けることも出来る・・・。
どれを選択するかは自分の自由・・・。
しかし、その選択による結果は自分で責任を取らなければなりません。
今の時代は、何かしでかしても責任を取るということが希薄になっている時代であります。
それも社会的に地位のある人物たちの無責任ぶりには目を覆いたくなるものがあります。
悪いことだとはわかっていたけれども、あの時はああするしかなかった、組織を維持するためにはああするしかなかった、生活のためには致し方なかった・・・、という言い訳の達人が闊歩する時代であります。
リ-ダ-たる以上、組織内外で問題が生じた場合、責任転嫁は持ってのほかであり、これはある意味、重罪でありましょう。
リ-ダ-という存在は、常に人間修養を心がけていなければなりません。
また、私たちが日々生きるということは、常に遺産を作っているということも忘れてはなりません。
何事も自分の責任において対処出来る人間でありたいものです。
今日も最後まで読んでいただきありがとうございます。