あなたは宴会の幹事をしたことがありますか?
書籍「宇宙飛行士選抜試験」に学ぶビジネスを輝かせるためのヒント・・・
あなたは宴会の幹事をしたことがありますか?
これは宇宙飛行士選抜面接試験において候補者に対して放たれる質問だ。
仲間の意見を募り、それをまとめ上げる「リ-ダ-シップ」と、人をもてなしたり、楽しませたりするための「コミュニケ-ション能力」を審査するための質問。
就職したての社会人なら、先輩に「宴会の幹事ほど重要な仕事はない!」と口酸っぱく言われるものだが、これは宇宙でも同じである。
宴会の幹事は、基本的に「明るく」「楽天的な」性格でないとうまくこなせない。
忘年会や新年会、歓送迎会など、重要な宴会になればなおさらだ。
宇宙飛行士の場合、世界各国の仲間たちと半年間、宇宙で共同生活を送らなければならない。
そうした中、暗くて人づきあいの悪い人間だと、周りも滅入ってしまい、チ-ム全体の士気やパフォ-マンスにも影響が出てしまう。
宴会で求められるのは、新しいことを率先して計画する力と、周りを楽しませることを自らも楽しめるようなパ-ソナリティだ。
そして、これらは、まさに宇宙飛行士にも不可欠な資質なのである。
(宇宙飛行士選抜試験/光文社新書/大鐘良一氏&小原健右氏)
著書の中に次のような一節があります。
「およそ1年がかりで追い続けた宇宙飛行士選抜試験で我々が目にしたものは、超人が華々しくその天才ぶりを発揮する姿でも、凡人には理解できない難解な試験が繰り広げられる光景でもなかった。
あえて短い言葉で表現するなら・・・『どんなに苦しい局面でも決してあきらめず、他人を思いやり、その言葉と行動で人を動かす力があるか』という、“人間力”を徹底的に調べ上げる試験だったのである」と・・・。
このように見てくると宇宙飛行士に求められる資質も企業が求めている人物像も基本的には変わりがないことに気がつきます。
「覚悟」と「忍耐」と「問題や困難を乗り越える力」・・・、この部分が欠如している人間はどんなにスキルがあったとしても厳しい環境を生き抜いていくのは難しい・・・。
覚悟や忍耐、問題や困難を乗り越える力は“こんなハズじゃなかった”とか“もうこんな状況耐えられない”という環境から生まれ、自分の中の恐怖心や羞恥心、怠惰心によって磨かれていくように思います。
現在、ビジネスに携わっている多くの人は“何が出来るか”に焦点を当て過ぎていて、“どんな人間になるか”という側面を疎かにしてしまっているのではないでしょうか。
これらは、どちらか一方ではなく、両方とも大切な要素です。
この双方を限りなく大きく深く磨き上げていく・・・、このことを常に忘れないようにしたいものです。
今日も最後まで読んでいただきありがとうございます。