ギブ・アンド・ギブからはじめる
鎌田浩毅氏(京都大学教授)に学ぶビジネスを輝かせるためのヒント・・・
私の上司は、人間関係に関する本質を教えてくれた。
世間でギブ・アンド・テイクと言うが、最初からそんな都合のいい話はほとんどない。
はじめはギブの時期がしばらく続く。
しかも、ギブしたことがこちらへ返ってくる機会は、すぐには訪れない。
しかし、ギブが満ちてくると、ひとりでに戻ってくるようになるというのだ。
長いギブ・アンド・ギブのあとに、ギブ・アンド・テイクがくるのである。
その時になってはじめて、ギブ・アンド・テイクが成り立つ。
上司は、人間関係とはそんなものだと思って、努めて人にはよくしてあげなさいと言った。
「人から頼まれた仕事は、快くやってあげなさい。
君には少し時間を割くだけのことでも、頼んできた人にとっては難事業なのだ。
そのちょっとした努力から、大きな信頼を得ることができる」
誠意を尽くして人に接していれば、必ず報いられる。
少し先ではあるが、よくしてあげたことは必ず戻ってくるというのだ。
「安心して人のために仕事をしなさい。それが君の評価を高め、信頼関係を得るもっとも早道なのだよ」
結果はあとからついてくる。
その時のために、いまは自分ができることを出し惜しみせずに、全力で行うのである。
(成功術 時間の戦略/文藝春秋)
まだ出会って間もないにも関わらず、自社の商品をやたらと勧めてきたり、誰かを紹介して下さいと言ってくる人がいます。
こちらの状態や感情などまるっきりお構いなしです。
このような人たちは、いつももらうことばかりを考えている人たちです。
自分は出来るだけ損をせずに、また面倒なことはせずに、良い結果を得たい・・・。
このような人から何かモノやサ-ビスを購入したいと思うでしょうか?
また、末永くお付き合いしていきたいと思うでしょうか?
初期の人間関係の基本はギブ・アンド・テイクではなく、ギブ・アンド・ギブ・・・。
“与える”だけではなく、“与え尽す”という姿勢がとても大切になります。
また、“自分が如何に得をするか”ではなく、“自分が如何に損をするか”を目標に生きることが大切です。
一般的には出来るだけ損をしない生き方が得のように思われていますが、全くそんなことはありません。
本当は、損をする生き方こそが成功への最短距離です。
損をする道を意識的に選び取って生きていくということは、人とのご縁を大切にし、信用貯金を確実に積み立てていくということ・・・。
信用なくして大きな仕事を成し遂げることは決して出来ません。
今日も最後まで読んでいただきありがとうございます。