起業は究極の遊び

すべての顧客&社員&取引企業が輝くことの出来る「日本で一番大切にされる会社」「社会にとってかけがえのない会社」「地域にとってカッコいい会社」を創造するためのヒント。 さらには、会社にとって、社会にとってかけがけのないビジネスパ-ソンになるためのヒントのおすそわけ!

「怠け者」は実は「救世主」

古川武士氏(習慣化コンサルティング株式会社代表取締役)に学ぶビジネスを輝かせるためのヒント・・・

蟻の研究をしている北海道大学大学院農学研究院の長谷川英祐准教授によると、蟻のコロニ-(巣)の中には働き者の蟻と怠け者の蟻がいて、怠け者蟻の割合は常に2~3割になっているそうです。

興味深いのは、働き者蟻だけを取り出してコロニ-(巣)をつくったところ、そのうちの2割が怠け者蟻になるということ。

働き者蟻が怠け者蟻に変化するのです。

それは、なぜか?

長谷川さんの研究によれば、2割の怠け者蟻がいる理由、それは蟻のコロニ-の場合、外敵(蟻の天敵)から攻撃を受けた時に緊急対応できるよう温存しているというのです。

怠け者蟻はいわば「予備要員」というわけです。

稼働していないように見えて、スタンバイOKなのです。

かくして、蟻の世界では、働き者蟻にも怠け者蟻にも肯定的な生存意図があるということなのです。

これは、蟻という個体が持つ“性格“というより、集団組織の力学的な面があるようです。

先日、「羽鳥慎一のモ-ニングショ-」(テレビ朝日系列)で「ビジネスでも同じことが言えるか」とのテ-マが番組に出演をしました。

▼ビジネスの世界でも「怠け者」が「エ-ス」になる

人事研修やビジネスコンサルティングの世界には、「2:6:2の法則」といわれているものがあります。

ご存じの方も多いでしょうが、全体のトップ2割がとても働き者で優秀、中間の6割が普通、下位2割はやる気が低下して成果を出さない、という構造が企業の中などで見られるといわれます。

間組織にも集団の力学として、「下位2割」に蟻と同じような肯定的な生存意図があるかどうかは分かりません。

ただ、少なくとも下位2割の力は、「外的要因」によって大きく変化するのは蟻だけではなく、人間も同じではないでしょうか。

例えば、私が知っているA社では9名の営業担当者のうち、トップの成績を挙げているのは2名を含めて7名が女性です。

ある日、その2名がほぼ同時期に出産を迎えて育休に入ったのです。

トップの営業ウ-マンが育休に入る直前の半年間で引き継ぎをしたのが、これまであまりパッとしない成績の女性2名でした。

このうち、1名が一気にやる気を出し、わずか1年半で営業部のエ-ス的存在に成長したのです。

前出の「蟻のコロニ-」の話にどこか似ています。

組織が直面した危機的状況によって、「バランス」が変わり、予備要因が台頭してきた好例だと思い、テレビの取材でお話をしました。

実はこのエ-スの女性は、入社したときは見た目にもチャラチャラしていて、上司からの評価も高くありませんでした。

しかし、2名の営業が産休に入り、期待がかかった途端、スイッチが入ったのでしょう。

見違えるような働きを見せました。

さらに驚くべきことに、このエ-スの女性だけでなく、すべての営業担当者たちのパフォ-マンスがぐんと高まったそうです。

全員が危機感を共有して、温存していた潜在能力を発揮したのかもしれません。

(プレジデントオンライン) 

ビジネス社会においても今まで使えないと周囲に思われていた社員が、何らかの状況によって自らの能力を飛躍的に成長させ、周囲をあっと驚かせるような成果を挙げることがあります。

私も以前、働いていた会社で同様の現象を複数回、目の当たりにしたことがあります。

その時、思ったものです。

本当は使えない社員など一人もこの世に存在しないのだと・・・。

リ-ダ-はこのことを深く自覚するべきではないでしょうか。

時折、なかなか思うような人材が集まらなくて困っていると嘆いている会社の幹部や社長さんがいますが、それは大きな勘違いですよね。

人は既にいるのですから・・・。

自分の部下を見る眼、指導力に問題があるということに早く気づいた方がいいですよね。

リ-ダ-にとって肝心なことは“人は既にいるのだ”という思考と、どこまでも部下を“信じ切る覚悟”と“赦し切る覚悟”・・・、この思考と覚悟なくして様々な人心掌握の技術を身につけようとも大きな成果を出すことは難しいでしょう。

この世にダメな社員、使えない社員がいるのではなく、ダメな社員、使えない社員と思い込んでいる幹部や社長がいるだけ・・・。

今日も最後まで読んでいただきありがとうございます。