たとえ屋根が崩れ落ちてきてもチャンスに変わる
クリス・ギレボ-氏(起業家)に学ぶビジネスを輝かせるためのヒント・・・
小さな町出身の彫刻家、ジョン・T・ウンガ-が語る「奇跡の復活」物語ほどドラマチックで教訓に満ちた話は聞いたことがない。
ジョンに言わせると、人生で3番目にラッキ-だったできごとは、大雪で自分の仕事場の屋根が崩落したことだった。
建物は半壊。
当時は彫刻家ではなく、グラフィックデザイナ-として仕事をしていた彼は、容赦なく北風の入る仕事場で、あるときは震えながら働き、あるときは排気管のない灯油ヒ‐タ‐で暖をとってしのいだ。
悪夢のような話だが、それから面白いことが起こった。
銀行が被害状況を査定しに訪れたついでに、彼の仕事内容に感銘を受けて、予算1万ドルの仕事を依頼したのだ。
ジョンはそのお金を、前々から購入しようとしていた2件のビルの頭金にあてた。
「建物が壊れていなかったら、銀行が仕事を発注してくれることは絶対になかったでしょうね」
ジョンに起こった2番目のラッキ-は、2000年のドットコム不況のさなかに、グラフィックデザイナ-としての本業を失ったことだった。
失職したことで、他のすべても失った・・・収入、ガ-ルフレンド、アパ-ト。
そしてアパ-トから引っ越す最中に起きた事故で、親指の一部さえも。
奈落の底に突き落とされたジョンは、これからどうしたらいいのかと深く思い悩んだ。
友人たちは、くよくよせずに何でもいいから仕事を探せよと勧めたが、そんなことを言われても仕事が目の前に出てくるわけでもない。
そんなとき、ジョンの人生最大のラッキ-が起きる。
深夜、気の荒いタクシ-運転手ともめたことだった。
運転手は彼を食堂の裏の部屋に引きずり込むと、10分間銃を突きつけたまま、わめき散らした。
ジョンは何とか脱出し、汗をかき、震え、生きていることを喜びながら歩いた。
「やった!」
ジョンはふらつく足取りで歩きながら、空に向かって叫んだ。
「僕はなんて運がいいんだ!」
今になってジョンは振り返る。
「そんなことがあったら、もう小さなことは気にならなくなります。すべてのことがまったく別の意味を持ちはじめるんです」
彼が彫刻家としての道を開いていったのは、それからだった。
(1万円起業/飛鳥新社)
「自分の仕事場の屋根が崩壊した」「グラフィックデザイナ-としての本業を失った」「気の荒い運転手ともめ銃をつきつけられた」・・・。
このような出来事に見舞われた時、もちろんしばらくは立ち上がれないほどのショックを味わうことになるでしょう。
また「俺はなんてツイてない男なんだろう」と自分の運命を呪うこともあるでしょう。
しかし、彫刻家、ジョン・T・ウンガ-氏の例にもあるように「自分の仕事場の屋根が崩壊した」「グラフィックデザイナ-としての本業を失った」「気の荒い運転手ともめ銃をつきつけられた」という状況がなければ今日の成功はなかった・・・。
「自分の仕事場の屋根が崩壊した」「グラフィックデザイナ-としての本業を失った」「気の荒い運転手ともめ銃をつきつけられた」というような状況は本当に不幸でツイてない出来事だったのか?
そうではありませんよね。
一つひとつが成功へと近づくためのステップであった・・・。
逆境や困難が与えられたということは大きな成功が訪れる前兆であり、決して忌み嫌うべきものではありません。
本当の幸福者というのはこの瞬間、不幸ではなく幸福を選択し続ける者。
そして本当の成功者とはこの瞬間、失敗ではなく成功を選択し続ける者・・・。
今日も最後まで読んでいただきありがとうございます。