部下がバカに見えて仕方ない人に
植西聰氏(著述家)に学ぶビジネスを輝かせるためのヒント・・・
「部下に接する一番の心得は、何もかも知っていて、何も知らないふりをすることだ」~大山巌~
ある経営者は、「知っていても、知っていると言わない」ということをモット-にしていると言います。
「そのことについては、私も知っている」と言ってしまうと、部下はそこで話すのをやめてしまいます。
しかし部下は、実は重要なことをまだ話さないでいるのかもしれません。
へたに「知っている」などと言うと、その重要なことを聞き逃してしまいます。
ですから、その経営者は、自分がその内容を知っていようが、いまいが、部下の話を黙って最後まで聞き届けるのをモット-にしていたのです。
また「最後まで話を聞く」のは、部下に敬意を払うことにもなります。
話の途中で、「そのことは、もう知っています」などと口を挟まれたら、部下は気持ちを害してしまうかもしれません。
「知っていると言わない」ことには、そのような部下への配慮も含まれているのです。
(「足りないのは勇気だ」迷った時に読みたいリ-ダ-の名言/朝日新聞出版)
「知っていても、知っていると言わない」・・・、これは経営者にとって、または部下を持つ人間にとって忍耐の必要なことでしょう。
どうしても「それは分かっているから・・・」と言ってしまう誘惑にかられます。
経営者や上司の役割の一つに部下に気持ちよく働いてもらうというのがあります。
そのためには一人の人間として敬意を払う必要があるでしょう。
また、この姿勢は同時に部下の自己重要感を満たすことにもつながります。
あの人育ての名人である吉田松陰は、「周りに才能がない人がいないのではない。人の才能を生かせる人がいないのだ」
「自分の価値観で人を責めない。一つの失敗で全て否定しない。長所を見て短所を見ない。心を見て結果を見ない。そうすれば人は必ず集まってくる」というような言葉を遺していたらしいですが、まさに人を生かすための一番の心得は、「何もかも知っていて、何も知らないふりをすること」・・・。
今日も最後まで読んでいただきありがとうございます。