起業は究極の遊び

すべての顧客&社員&取引企業が輝くことの出来る「日本で一番大切にされる会社」「社会にとってかけがえのない会社」「地域にとってカッコいい会社」を創造するためのヒント。 さらには、会社にとって、社会にとってかけがけのないビジネスパ-ソンになるためのヒントのおすそわけ!

うまさより「何を伝えたいか」

久石譲氏(作曲家)に学ぶビジネスを輝かせるためのヒント・・・

僕がオ-ケストラの指揮をするときでも、技術とは別のところで、「日本人がやるとどうしてこうなるのかなあ」と思うことがある。

例えば〈旅立ちの時~Asian Dream Song~〉という僕の曲がある。

中国のオ-ケストラで演奏すると、のびやかな実に大陸的な音を出す。

これは韓国のオ-ケストラでもそうで、大らかな感じが出る。

しかし日本のオ-ケストラでやると、ピッタリと合ってうまいのだが、どこかこぢんまりした感じになる。

そつがない。

このそつのなさは何なのかとよく考える。

音を出すことで何を伝えたいのか。

音楽をやることで表現しなければならないのは、そこだ。

ところが、技術的なところで自分の立派さを追い求め、そこに価値を置いているだけだと、どんなにうまくても、音楽にはならない。

「あなたは音楽をしているというけれど、気にしているのはピッチとリズムでしょう?」みたいなことになる。

それが、正確な演奏であることがすべてに優先した教育を受けてきていることによるものであるなら、日本の音楽教育のやり方は変えなければならない。

もちろん、僕が知っている日本人の演奏家の中には、本当に優れている人やオ-ケストラがたくさんある。

だが、他の国の演奏家と比べて、全体的に、「何を伝えたいのか」がわからない人が多いことも事実だ。

僕の中にもそういう部分がある。

オ-ケストラのスコアを書いても、とりあえず、立派なスコアに仕上げることを考えてしまう。

立派なスコアとは、いい音を出すように伝えるためのものでしかないのに、スコアとしての完成度を目指す感覚が出てしまう。

その瞬間、「ああ、ダメだな。典型的な日本人パタ-ンだな」と思い、軽い自己嫌悪に陥る。

(感動をつくれますか?/角川oneテ-マ21)

今の音楽教育は楽しく弾けることより、うまくなることを目指しているといいます。

その結果、上手に弾けるようにはなるのですが、自分らしい音を奏でることに関しては不得手な人たちを量産してしまった・・・。

上手に弾けるようになるのは、自分らしい音を多彩に表現するためです。

自分らしい音を奏でるためにはうまく弾くのではなく、楽しく弾くことが肝になるように思います。

楽しくの“楽し”という文字は天に向かって手を伸ばす、手押(たのし)からきていると言われています。

つまり楽しくというのは、手を伸ばして天の響きを感じることなのでしょう。

天の響きを感じれば感じるほど“自分らしさ”が表現されるようになり、楽しく弾けば弾くほど、“自分らしい”音になっていく・・・。

うまくなることも必要ですが、同様に楽しく弾けるようになることも大切です。

これは音楽の世界だけではありません。

ビジネスの世界でも同様です。

今日も最後まで読んでいただきありがとうございます。