感謝の心を形に表す三つの「贈り物」
中井正嗣氏(千房社長)に学ぶビジネスを輝かせるためのヒント・・・
感謝やお祝いの心は、形に表さなければ伝わらない。
それが「贈り物」である。
私は贈り物には大きく分けて三つあると思っている。
一つはお金、二つ目は品物、三つ目は電話や手紙によるメッセ-ジ。
そしてつけ加えたいのが「身贈り[=見送り]つまり体を使う贈り物である。
石川洋先生の言葉に、「出迎え三歩、見送り七歩」がある。
私はお客さまが帰られるとき、忙しいときは別として、店頭でずっとお見送りすることにしている。
「身贈り」である。
そしてそのとき、心のなかで、「こっち向いて、こっち向いて」と念じるのである。
そうすると、不思議とお客さまは振り返ってくれる。
私が頭を下げると、手を振ってくれる。
私も手を振る。
すると、その方は必ずといってよいほどリピ-タ-になってくれる。
お客さまが帰られるときにかける言葉もそうである。
「ありがとうございました」だけでは一方通行で終わってしまう。
お客さまからも言葉が返ってくるようなお礼のいい方をしなければ、心はつながらない。
私はお年寄りのお客さまが帰られるときは、たとえば「おばあちゃん、お元気でね」と一言一言添える。
そうすると、必ず「ありがとう」という言葉が返ってくる。
茶髪の若者のグル-プには「お兄ちゃん、がんばってね」と声をかける。
すると「うん、がんばるわ」と応えてくれる。
カップルのお客さまには、女性のほうに、男性にも聞こえる程度の小さな声で「幸せになってね」という。
キザなように思われるかもしれないが、親が娘にいうような感じでささやくのである。
すると「ニコ-ッ」と笑みを返してくれる。
小学生ぐらいの子どものお客さまには、腰をかがめ、目線の高さで「しっかり勉強をせなアカンで」という。
そうすると、親もニコニコして、私のほうを半分見ながら「しっかり勉強するのよ」とやさしく子どもにいいきかせるものである。
どうしてそういう言葉が出てくるのかとよく聞かれるが、秘訣などはない。
これらはみんな親や親戚が身内にかける言葉なのである。
自分とかかわりを持った人たちが、一人残らずみんな幸せになってほしい。
私はそういう思いで声をおかけしているだけなのである。
(できるやんか!/潮出出版)
感謝を形に表すということ・・・、これはあらゆる人間関係を純化させていくことにつながります。
純化とは人から「もらう世界」から「与える世界」へと移行することです。
「与える世界」の住人の特徴として、すべての人を自分の家族とみなし接することが出来るということが挙げられます。
そんな人はより多くの人たちから支援され、そのエネルギ-で新たな世界へと押し上げられます。
感謝の心を胸にしまっておくだけではもったいない・・・。
感謝の心をもっと具体的な形に表現出来るようになればなるほど人生に深みが加わるような気がします。
最後に中井正嗣氏の「人が集まる十ヶ条」を紹介したいと思います。
~「人が集まる十ヶ条」~
「人が集まるところに」人は集まる
「夢の見られるところに」人は集まる
「噂になっているところに」人は集まる
「良いもののあるところに」人は集まる
「快適なところに」人は集まる
「満足の得られるところに」人は集まる
「感動を求めて」人は集まる
「人の心を求めて」人は集まる
「自分の存在感を認めてくれるところに」人は集まる
今日も最後まで読んでいただきありがとうございます。