起業は究極の遊び

すべての顧客&社員&取引企業が輝くことの出来る「日本で一番大切にされる会社」「社会にとってかけがえのない会社」「地域にとってカッコいい会社」を創造するためのヒント。 さらには、会社にとって、社会にとってかけがけのないビジネスパ-ソンになるためのヒントのおすそわけ!

日本人の共生の思想

大山泰弘氏(日本理化学工業(株)会長)に学ぶビジネスを輝かせるためのヒント・・・

私は、日本人には「働く幸せ」を分かち合うことができると信じています。

なぜなら、日本には古くから「共生の思想」が根づいているからです。

たとえば、えびす様。

みなさんは、商売繁盛の神様であるえびす様が、足の立たない障害者だったことをご存知でしょうか?

神話事典によると、えびす様は「蛭子」(ひるこ)という、いまでいう小児麻痺のような病気だったようです。

生まれてすぐ笹船に乗せて流されてしまい、潮の流れでめぐりめぐってたどり着いたのが瀬戸内海。

笹船を見つけた漁師が、かわいい赤ちゃんといって家に連れて帰り、自分で育てることにしました。

そして、町の人たちもみんな大事にして、神様と祀(まつ)ったのだといいます。

祀った理由がおもしろい。

足がないことをもって、「お足が出ない」(お金が出て行かない)といってありがたく祀ってきたのです。

ユ-モアとやさしさを感じさせる、優れた「共生の思想」だと思います。

そろそろ、私たちは日本古来の価値観に立ち戻ってみてはどうでしょうか?

人間の幸せの道を説くために、「働」という漢字をつくり出したのも日本人です。

人のために動くこととして「働」。

実に素晴らしい考え方ではないでしょうか?

お金のためでもない、自分のためでもない、人のために動くからこそ、人は、ほめられ、人の役に立ち、必要とされる。

私たち日本人は、もう一度このことを思い出すことによって、「働く幸せ」を取り戻し、もっと生き生きとした社会をつくり出すことができるに違いありません。

(働く幸せ/WAVE出版)

日本理化学工業は全従業員83人中61人が知的障がい者(内28人が重度の障がい者)が働いている、学校で使うチョ-ク製造を主とした会社です。(平成28年2月現在)

会社創立は昭和12年ですが、知的障がい者の雇用は昭和35年2人を雇用したのがスタ-トでした。

このような障がい者多数雇用を目指したのは、禅寺のお坊さんから「人間の究極の幸せは、1つは愛されること、2つ目はほめられること、3つ目は人の役に立つこと、4つ目は人に必要とされることの4つです。

福祉施設で大事に面倒をみてもらうことが幸せではなく、働いて役に立つ会社こそが人間を幸せにするのです」と教わったからでした。

今では障がい者達の頑張りのお陰で国内チョ-ク業界にあってシェア30%を超えるトップメ-カ-となって居り、重度の障がい者達でも企業の貴重な労働力となることを実証できたと思っています。(日本理化学工業ウェブサイトより)

著者の日本理化学工業会長である大山泰弘氏は『知的障害者は、社会の「宝」である』と言います。

なぜなら、彼らこそ、健常者に大事なことを教えてくれる存在であるからだと・・・。

私もこの書籍から改めて「働く幸せ」について深く考えさせられました。

健常者と障害者が共に手を取り合って、お互いを支え合う会社・・・、日本理化学工業・・・、これからも多くのことを学ばせいただきたいと思います。

今日も最後まで読んでいただきありがとうございます。