起業は究極の遊び

すべての顧客&社員&取引企業が輝くことの出来る「日本で一番大切にされる会社」「社会にとってかけがえのない会社」「地域にとってカッコいい会社」を創造するためのヒント。 さらには、会社にとって、社会にとってかけがけのないビジネスパ-ソンになるためのヒントのおすそわけ!

「日本的経営」は人体に最も近い経営方式

唐津一氏(東海大学名誉教授)に学ぶビジネスを輝かせるためのヒント・・・

生物の体はサイバネティクスで成り立っている。

フィ-ドバックの仕組みを内蔵しているために、曖昧な指令でも最終的には正確な動作ができる。

もうひとつ、サイバネティクスの重要な機能に、「情報の共有化」というものがある。

人間の体は、歯が痛くなっただけでも全体の調子が悪くなる。

足の小指にとげが刺さっても、歩行がうまくいかなくなる。

それは、体全体が一部に起きたことを知っているからである。

仮に、その仕組みがなかったとすると、胃が痛いのに暴飲暴食をしたり、目が疲れているのに深夜まで読書をしてしまったりする。

その結果は言うまでもなく、重大な障害となって現れるに違いない。

私は日本的経営が、前者のサイバネティクスであると思っている。

そしてトカゲのしっぽ切りのように不採算部門を次々と切り捨てていく欧米型企業は後者だ。

どちらがうまく機能するかはこのたとえで明らかなように、前者である。

人間は機械ではない。

役割が違っていても、体の各部分はお互いに微妙な影響を及ぼし合って動いている。

欧米では失敗すると必ず誰かが責任を問われるが、人間の体でそれをやったらたちまち部品がなくなってしまう。

ものをつかみ損ねては手を罰し、文字を読み間違えては目を罰していたのでは、とても生きてはいけない。

人間の体はそうではなく、各部分がお互いに助け合うことで異常を排除している。

そのほうが自然なのである。

企業経営で儲けたい人は、まず日本的経営のよさを充分に吟味し、それから自分たちの組織の強みを分析するとよい。

そうすれば、これからどの方角に進むべきか、何を強化しなければならないのかが見えてくる。

(「儲け」の法則/PHP研究所)

会社という組織において、一般的に使えない社員、営業などで成績の挙がらない社員といった負の部分(人間)、悪い部分(人間)を排除していくとどうなるのか・・・。

これで会社が順調に発展していくのであれば良いのですが、そうではありませんよね。

人間の体でも、例えば癌などが出来た場合、切除してしまえば完全に良くなるのかといえばそうでもない・・・。

ということは部分というのは全体と密接にかかわりあっているということ・・・。

見える悪いヶ所だけを切り離しても、見えない全体とのつながりを無視してしまう行為は、一見短期的には良いように見えても長期的な視点から見れば全くそうではない・・・。

日本的経営というのは「見える部分」はもちろんですが、「見えない部分」にも注意を払い、人を物扱いせず人と観る経営。

そして、会社とは社会の公器であるとする考え方。

自分の会社だけが儲かればいい、自分が所属する業界だけが儲かればいいという考え方は日本的経営ではありません。

これだけ世界には色々な国があるわけですから様々な経営手法や考え方があっていいとは思いますが、やはり人を大切にする経営、日本人らしい経営こそ追究していきたいものです。

今日も最後まで読んでいただきありがとうございます。