創造的思考を開発するための第一歩
ダビッド・J・シュワルツ氏(コンサルタント)に学ぶビジネスを輝かせるためのヒント・・・
創造的思考を開発するための第一歩は、それをすることができると信じることである。
私は講習会で受講者にときどき次のような質問をする。
「この中に、これから30年の間に刑務所を廃止することができると思う人は、何人いるでしょうね?」
受講者は聞きまちがえたのではないかとまごついて、たいていは寝言でも聞かされているのではないかといった顔をする。
そこで、ちょっと間をおいて、私はもう一度繰り返す。
「30年の間に刑務所を廃止できると思う人はいませんか?」
私の質問が冗談ではないことがわかると受講者たちは、口ぐちに次のような発言をするようになる。
「先生はあの人殺しや窃盗犯たちを全部釈放してしまおうとおっしゃるんですか?そんなことをしたら、世の中、どうなってしまうんです。刑務所をなくすなんて考えられませんよ」
「刑務所がなくなったら、秩序はめちゃくちゃになってしまうでしょう」
「人間の中にはもともと犯罪者に生まれついている者もいるんですよ」
などなどだ。
このようにして、10分間ほど意見を出してもらったあとで、彼らにこう言うのである。
「これまで皆さんは、なぜ刑務所を廃止できないかという観点から議論してこられました。意見も出つくしたようですので、どうです、ここらへんで、今度は刑務所を廃止することができるという観点から数分間議論してみませんか?廃止できると仮定して、では、どうすればそれができるのかということです」
最初のうちはなかなか意見が出なかったが、そのうち、しだいに活発に意見が出てくる。
「そうですね、少年センタ-をもっとたくさんつくれば、刑務所をなくすことができるかもしれません」
「貧困をなくすことです。犯罪者の多くは貧困家庭から生まれるのですから」
「彼らが犯罪をおかす前に、潜在的犯罪者を捜し出すことです」
この実験で明らかになったのは次の点である。
あなたが信ずるなら、あなたの精神は、それを実現する方法を見つけだすのである。
(大きく考えることの魔術/実務教育出版)
私たちは人生において様々な問題に見舞われます。
そのような時、この問題は“解決出来る”を選択すれば出来るようになるための方法論が、“解決出来ない”を選択すれば出来ない理由を考えることが出来るようになっているようです。
創造的思考をフルに活用したいと思うのであれば、最初の第一歩は、出来るか出来ないかをまずは選択することです。
例を挙げます。
ここに営業成績ビリだった営業マンがいるとします。
世の中の90%の営業マンは「今月ビリだったから、来月もビリ」を選択します。
しかし、この創造的思考を活用するということは、「今月ビリだったけど、来月はトップ」を選択するということです。
そして、出来ない理由を考えるのではなく、出来る理由のみを考えるということです。
これは決して難しい選択をするのではなく、ただ違う選択をするということ・・・。
出来るを選択するのが心地好ければ出来るを選択すれば良いし、逆に出来ないを選択することで心地好くなるのであればそう選択すれば良いわけです。
ただ、出来ないを選択するとその時点で思考停止状態となり、何の発展性もなくなってしまいますが・・・。
すべての創造的思考は出来るか出来ないかの選択から始まる・・・。
個人的には“出来る”を大いに選択していきたいと思います。
今日も最後まで読んでいただきありがとうございます。