「強化の原理」
島井哲志氏(心理学者)に学ぶビジネスを輝かせるためのヒント・・・
習慣を作り上げ、維持する仕組みの中核は、「強化の原理」と呼ばれるものだ。
何かの行動をしたときに、たまたまであっても特別な結果が起きたとする。
結果の性質によっては、その行動をそれまでよりもたびたびするようになる。
習慣が作られ始めるのだ。
ある行動に続いて起きた出来事がその行動を増加させる場合、それを「強化」と呼ぶ。
強化によって行動がしっかりした習慣になるのは、「強化の原理」が働くからである。
サ-カスの動物に曲芸を教え込むプロセスを考えてほしい。
はじめは簡単な行動に対して、たとえば角砂糖などの「ごほうび」を与える。
すると動物は行動の結果、角砂糖が得られるとわかり、その行動が習慣となる。
行動をしだいに複雑にさせ、習慣化させていった結果が素晴らしい曲芸だが、これは強化の原理で実現したものだ。
(やめられない心理学/集英社新書)
著者の島井哲志氏は習慣についてこう述べています。
「習慣を変えるのは難しい。
しかしよく考えてみると、いまの習慣の大部分は生まれたときからあったわけではない。
いつしか習慣となったものがほとんどだ。
ここしばらくの間は習慣だが、以前は習慣ではなかった行動が多いのだ。
習慣が作られた時点を振り返れば、それ以前の習慣が変わって現在の習慣となったのだとわかる。
そう考えると、どんな習慣でも、変えられない習慣はない」と・・・。
習慣というものは特に何も考えずに無意識のうちに行われる行動でもあるわけですが、これも最初は意識的な行動の積み重ねであったわけです。
そして、今現在の習慣を新しい習慣に変えようと思ったら、新たな行動を意識的に行うより他ありません。
それでも最初のうちは、前の習慣を維持しようとする働きに苛まれることもありますが、それをも乗り越えていかなければなりません。
よく新しい習慣を身に付けようとしてもいつも三日坊主で終わってしまうという人がいますが、そのような人は「出来るだけ短期間に一気にやってしまいたい」というような思いを持っているからではなでしょうか。
これは行動したくないと言っているようなものだからです。
いつまでたっても習慣化されることはないでしょう。
この思いは新しい行動の習慣化を阻む思いです。
ですから新しい習慣を身に付けようとする時は、「出来るだけ時間をかけて毎日少しづつ」がコツのように思います。
どんな習慣でも、変えられない習慣はありません。
今日も最後まで読んでいただきありがとうございます。