「当たり前」をリセットする
小山薫堂氏(放送作家)に学ぶビジネスを輝かせるためのヒント・・・
アイデアの種は、そこらじゅうに落ちていると思います。
だから大事なのは、先入観をいったん捨てて、認識をリセットすることです。
たとえば、ここにヤカンがあるとしますよね。
これをヤカンだと思うのは経験から知っていることです。
じゃあ、もしここに宇宙人がやってきたら、自分は宇宙人にこれを何て説明するだろう。
それがリセットして考えるということです。
知識をゼロに戻すと、きっとまず、「何でこんなかたちになったんだろう。誰がこんなかたちにしたんだろう」と考えますよね。
そして、これがもっといいかたちにならないかと考え始めたとき、ヤカンに、何か新しい価値観を見いだすことができるんじゃないかと思うんです。
「ニュ-デザインパラダイス」という番組の第一回目で横断歩道をとりあげたのも、同じような理由からでした。
横断歩道って、いつも何気なく通り過ぎていたけど、いったい何でこんなかたちなんだろうとあらためて考えた。
そんなふうにして、いろいろなものを一回リセットして考えると、そのもの自体がすごく気になり始めます。
アイデアの種は、そういうところにある。
ヤカンとか、横断歩道とか、自分にとって当たり前のものほど、意識的にリセットして考えてみる。
アイデアの種を拾うには、そんな心構えが大事なんじゃないでしょうか。
(考えないヒント/幻冬舎)
ニュ-デザインパラダイスはもうかなり前に終了してしまっている番組ですが、楽しみにしていた方も多かったのではないでしょうか。
ここでは今一度、その番組の紹介文を引用させていただきたいと思います。
今読んでもとても創造性を刺激され、アイデアに煮詰まっている人にはとても参考になると思います。
~引用開始~
普段、私たちが日常生活の中で何気なく目にしているもの。例えば・・・、ヤカン、トイレットペ-パ-、醤油さし、ビ-ル瓶、紅茶のティ-バッグ、紙おむつ、ハサミ、ご祝儀袋、シュウマイ、消しゴムつき鉛筆、犬小屋、マカロニ、まな板、冷蔵庫、洗濯機・・・、そのデザインには、それなりのちゃんとした意味があり、進化の理由があります。
しかし、もはや人々には「慣れ」が生じ、そうしたカタチには新鮮味を感じなくなりました。
しかし!もし、地球上に宇宙人がやってきて「ヤカン」を指さし、「これは何?」とたずねられたとき、私たちはどう答えられるでしょうか?
「お湯を沸かす道具がなぜこういう形なのか?」と問われ、即答できるでしょうか?
人類が作り上げた“物のカタチ”の歴史をさかのぼれば、その背景に潜む文化の意味を見つけられます。
「デザイン」を入り口に、人類のさまざまな文化を読み解いていく、まさに新しいスタイルの知的情報番組です。
新しさの核となるのは・・・、デザインの分析→デザインのリセット→デザインの再生。
つまり、既存のデザインを分析した上でそれを一旦白紙に戻し、全く違う観点から新しいデザインを作り上げてしまうのです。
日常に埋もれている身近な物をデザインし直すことで、日常の平凡が新鮮に見えてくること、間違いありません!
~引用終了~
本当に「当たり前」をリセットしてみるだけで、多くのアイデアのヒントを得ることが出来ます。
また、日常を非日常に変化させる方法も無限にあることを想い出させてくれます。
自分の仕事に関しても「当たり前」をリセットしてみる・・・、このことを習慣にするだけで、仕事が楽しくてたまらないものになることでしょう。
今日も最後まで読んでいただきありがとうございます。