「聴く」ことの本当の意味
ハリ-・ベックウィス氏(マ-ケティングコンサルタント)に学ぶビジネスを輝かせるためのヒント・・・
「私どもはお客さまの声に耳を傾けます」。
よくあるフレ-ズだ。
企業は皆、顧客の声を聴くことを約束している。
しかし、本当の意味で顧客の声をしっかり聴いているのなら、顧客が何を大切に思っているかがわかるはずだ。
ただ聴くというだけでは浅いのである。
「私どもはお客さまの声に耳を傾けます」。
もう聞き飽きた。
ここまであちこちで言われては信用されなくなる。
企業が犯す間違いは、顧客の声に耳を澄ますことで、彼らの抱える個別の特殊な問題に、仕立て服のようにソリュ-ション(解決)を提出できると考えていることである。
顧客が聴いてくれることの何に価値を見出しているのかが、わかっていないのだ。
解決の可能性が高まるからではない。
ここ十年の研究によれば、顧客は解決など求めていない。
「電話対応の良さ」、「自分との長い人間関係を築こうとする誠実な姿勢」が、「ベストな解決発見のためのテクニカルなスキル」を上回っているのだ。
顧客が評価するのはより良い解決ではない。
ただ、自分の言うことに耳を傾けてくれるかどうかという点だ。
自分が重要だとされているか、というフィ-リングが大事なのである。
(「買いたい心」に火をつけろ!/ダイヤモンド社)
著者のハリ-・ベックウィス氏は言います。
「そう、私たちはいつでもどこでも自分が評価されたいと願っている。
低く損なわれるような状況は、できれば避けたい。
サ-ビスも同じ。
聴いてくれないようなサ-ビスは買わないのだ」と・・・。
人の話を良く聴くことの大切さは誰もが知っています。
しかし、真剣に実践している人間はごく一握りでしょう。
聴くというのは、相手の感情に寄り添う行為です。
それなしに、問題解決だけをしようとしても無意味なのです。
顧客はあなたに問題解決よりも、感情にただただ寄り添って欲しいのです。
そうすることで、顧客は自分が大切に扱われているという思いを強くするのです。
それが顧客満足の本当の正体です。
人間関係の極意を説き明かし、時代を超えて読み継がれている不朽の名著「人は動かす」という書籍の中に、人が本当に欲しているもの、それは自己重要感であるという言葉があります。
人は「自分は重要人物である」と認めて欲しいのです。
大切に扱って欲しいのです。
これらの欲求が満たされることを渇望しているのです。
この欲求を満たしてあげること・・・、それが本当の顧客満足であり、サ-ビスです。
聴くとは、まさに相手の感情に寄り添う行為であり、耳だけではなく、体の全細胞を使ってその人の心に関心を寄せること・・・。
今日も最後まで読んでいただきありがとうございます。