拡大よりも、まず充実
北川八郎氏(一般社団法人楽心会代表理事)に学ぶビジネスを輝かせるためのヒント・・・
経営が少し順調になると、野心家や有名好きな経営者はすぐに拡大をしたがります。
大きくして売り上げを伸ばし、社員の給料を上げると口では言っている経営者がいますが、社が大きくなった時、まず上げるのは自分の給料という「せこい経営者」がほとんどです。
しかし、ずっと繁栄を続けたいならば、その前に拡大よりも充実が先です。
これはいけると思うと、大体の経営者はすぐに全国に支店とか営業所をつくり、社員数を増やし、社員の給料を上げることをしなくなります。
それは男性の本能的なものかもわかりません。
ちょっと大きくなると、すぐに「会社が大きいことが自分の大きさの証明」と次々に支店をつくってしまうようです。
支店をつくって拡大するより前に、社や組織や人材の充実を図り、技術の向上と商品の汎用性をよく高め、会社の理念をはっきりさせ、システムを整え、組織や社員に対する給与や他の保障を高くし、整える必要があります。
自分だけが潤うための「大きいばかりがいい会社」は良くありません。
一時的にうまくいって、どんどん拡大し二店目、三店目、あっという間に十店目となると、人材不足と借金の増大により、社会の動向の変化に追いつけなくなります。
先見性のない拡大はあっという間に潰れてしまいます。
なぜなら、支店を任せられる社長の望みどおりの能力のある人材は少ないからです。
急な人材の育成は追いつかないことがほとんどです。
順調になってきたらまず動機の純粋性に基づいて拡大が社会奉仕につながるのか、なぜ今、拡大が必要なのか、技術は追いついてきているのか、自分よりも社員や地域は潤っているのかを落ち着いて考えてみることです。
そして、順調な先を歩む経営者を見習って、確実に信用をとった時に、それから少しずつ拡大すればいいのです。
(繁栄の法則その二/致知出版社)
高い山を支えるためには広い裾野が必要です。
また、高い樹木を支えるためにはそれ相当の強い根っこが必要になります。
さらにまた、木々に無数の果実を実らせたいと望むのであれば、幹や根をも養う必要があります。
これは売上も同様で、売上が上がってきたら、樹木でいうところの幹や根をも養うことを疎かにしてはいけません。
この場合の幹とは各種システムの整備であり、根とは理念であります。
各種システムとはお客様はもちろんのこと、従業員、取引先の幸福度及び裕福度を向上させる仕組を構築するということであります。
そして、理念とは自社の存在目的であります。
何のためにこの会社は社会に存在しているのか?私たちの会社が創造出来る世界への贈り物は何だろう?ということを常に明確にしておくということであります。
この幹や根を十分に養うことによって、足腰の強い会社を創り上げることが出来ます。
売上を上げることはもちろん大切です。
しかしながら、お客様、従業員、取引先に如何に喜ばれる存在になるかということもとても大切なことのように思います。
「会社とは社会の公器である」という言葉があります。
会社というのは社会の一部であり、地域貢献、社会貢献が義務であります。
自社だけが儲かればいいという姿勢の経営者は即刻、市場から退場しなければなりません。
会社を興すということは誰にでも簡単に出来ることではありますが、その責任は極めて重大なものです。
常に理想の会社こそ追求していきたいものです。
今日も最後まで読んでいただきありがとうございます。