起業は究極の遊び

すべての顧客&社員&取引企業が輝くことの出来る「日本で一番大切にされる会社」「社会にとってかけがえのない会社」「地域にとってカッコいい会社」を創造するためのヒント。 さらには、会社にとって、社会にとってかけがけのないビジネスパ-ソンになるためのヒントのおすそわけ!

タカの眼、アリの眼、気づかいの眼

上田比呂志氏(2020年東京オリンピックおもてなし親善大使育成塾講師)に学ぶビジネスを輝かせるためのヒント・・・

様々なシチュエ-ションでも気づかいの基本は、「相手を慮ること」。

これは絶対に変わらないものです。

しかし、違いがあるとすれば、それは視点だと思います。

「タカの目」「アリの目」という話がよく比喩で使われるのですが、タカというのは空を飛んでいるから客観的に世界を見渡すことができます。

一方のアリは、目の前の障害物を乗り越え、一歩一歩進んでいきます。

タカは世界を見渡せますが、目の前の障害物を乗り越えるという感覚がわかりません。

アリは一歩一歩を越えるのは得意ですが、自分の行く先に何があるのか見えません。

言い換えれば、タカの目とは「長期的な目標」「戦略」「客観的な視野」。

アリの目とは「短期的な目標」「戦術」「細かい視野」。

相手のことを慮るためには、このどちらも欠いてはいけません。

この二つの視点を意識しておかないと気づかいもどんどんと独りよがりなものになってしまいがちなのです。

その点、母(元料亭女将)は本当に上手でした。

10畳~20畳という間取りのお座敷で、女将は座敷の端っこにスッと座ります。

そして、まずは座敷全体を見回します。

「お客様は楽しんでいるか?」「もうちょっと場を沸かせた方がいいか?」「もう少ししっとりさせた方がいいか?」といった具合に座敷全体の雰囲気を見るのです。

沸かせた方がよければ盛り上げ上手な芸者さんに指示を出し、しっとりとさせた方がよければ艶っぽい芸者さんを呼び入れて・・・。

もちろんそれだけではありません。

全体を見ながらも、今度は同時に個別のお客様の箸の進み具合や、グラスやお猪口の空き具合も見ます。

タカの目とアリの目を同時並行で使い分けるのです。

これは経験によるところもあると思いますが、やはり一番は意識の問題でしょう。

足元ばかり見ていると、周りが見えなくなります。

周りばかり見ていると、足元がおろそかになります。

タカの目アリの目を使い分けていくことが、気づかいの目となるのです。

(日本人にしかできない「気づかい」の習慣/クロスメディア・パブリッシング)

あのビ-トたけし氏の言葉に次のようなものがあるそうです。

『芸人の「ビ-トたけし」がいて、映画監督の「北野武」がいて、それを客観的に見ている俺もいる』・・・。

タカの目アリの目同様、複数の視点を持ち、同時にそれらを統括する冷静な己を常に意識している・・・。

さすがは世界の北野武氏。

ところで、おもてなしの達人とは、人々を歓喜させる“視点”を無限に持ち、それらを同時並行で使い分けることの出来る人と定義出来るかもしれません。

神様は無限の視点を持っているという言葉がありますが、この視点を生み出す感覚を磨いていくことこそが、これからの世の中ではとても大切になってくるように思います。

例えば、人を「よろこばせる」ということに関しても、「喜ばせる」であったり「悦ばせる」、他にも「慶ばせる」というものもあるわけです。

この3つの「よろこばせる」を自分なりに定義してみることで、自分にしか出来ない「おもてなし」を表現することが出来るようになるかもしれません。

と同時に、タカの眼、アリの眼、気づかいの眼を組み合わせていけば、自分流おもてなしの家元も決して夢ではありません。

ビジネスパ-ソンは芸人さんたちと同じように、お客様をいつまでも歓喜させる義務を負っています。

エンタ-テイナ-でなければならないわけです。

これからもおもてなしの視点、大いに蓄積していきたいものです。

今日も最後まで読んでいただきありがとうございます。